ごちゃまぜカフェ物語 44

2月5日に行われた講演会のために、カフェに何度も打ち合わせに来てくれた担当者の方達が、

繋いで下さったご縁に感謝しています。

みなさんとも、この出会いをシェア出来ますように。


長野市中条での講演会終了後、
雪がしんしんと降る山の中に車を走らせた。

ぜひ見に行ってみてくださいと、中条の方にも進められ、名物の囲炉裏の灰で焼いたおやきを食べに『やきもち屋』を訪ねた。

囲炉裏の香りが、かやぶき屋根の店の中に立ち込めていた。

野沢菜のおやきと、熱いお茶を囲炉裏の火を見つめながらいただいていると、温かい気持ちに包まれた。

『さっき、講演をしてくれた先生ですか?どうしても聞きたくてマイクロバスで行って、さっき帰ってきたところなんです。』

やきもち屋で、20年スタッフとして働いているという年配のその女性が、堰を切ったように自分のことを話してくれた。

『今は、時代が変わったのかもしれないけれど、私は嫁いだ先の舅と姑を看取ったの。二人とも認知症もあったから、大変と言えば大変だったけれど、お姑さんが最後の最後に、私を“お母さん、お母さん”て、部屋へ呼んでね…“ありがとう、ありがとう、ありがとう”って何度も言ってくれたんです。ごめんなさいね、先生の話を聞いて、どうしても伝えたくなったので。がんばってくださいね!』

彼女は、定年をとっくに超えた今も
『やきもち屋』さんに、どうしてもと頼まれて、おやきを作りに来ていると話してくれた。

胸が熱くなったのは、何度も彼女が入れ直してくれた熱いお茶のせいだろうか?

囲炉裏の火がパチパチと燃え、彼女の笑顔を照らしていた。

人の命の最期と向き合うということは、楽ではないけれどたくさんの学びがあるのだと、中条で私が教えてもらえた時間だった。

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