ごちゃまぜカフェ物語 2

『父の事を、朝から思い出していました…』


見覚えのある薔薇の花を手に
一人の女性がカフェの扉を開けて

少し不安げに声をかけてくださった。

人のご縁は、本当に不思議だと
改めて感じた…

彼女は、数年前に私が施設で関わっていたお年寄りの娘さんだ。

Facebookを通じて、私がカフェをスタートすると知り、庭に咲く薔薇の花を届けてくださるようになった。

彼女がお父様に届けていた薔薇の花の事が、私の脳裏に蘇った。

短めに切られた薔薇の花が
お父様の棚に、いつもそっと飾られていた。

薔薇の花を見ながらお父様は、いつも、自分にはでき過ぎた娘で本当に優しい子だと、嬉しそうに話して下さっていた。

娘さんがカフェで懐かしそうに
お父様の話をされている間中、そこにお父様がいらっしゃるような気がして仕方がなかった。

施設でお亡くなりになるお年寄りを
何度も看取る度に、介護職として
他にもだ出来たことがあったのではと、心の何処かに悔いを残し歩んできた。

カフェをOpenすると決心したものの
不安に押し潰されそうになりながら、『今』がある

でも、娘さんの笑顔と涙
そしてお父様との思い出が、た『明日』を頑張る勇気を私にくれた。

介護職の仕事は、本当に奥が深く
終わりがない。

私は、仲間達と決断しカフェをOpenした。『コミニケーションスペース』
と呼ぶその『ごちゃぜカフェ』にふさわしく、皆さんと心を通わし合い生きたい。

薔薇の花をみながら、一人
そんな事を考えていた。

素敵な薔薇の花を、本当にありがとうございした。明日からた頑張れす!

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