ごちゃまぜカフェ物語 37

ごちゃまぜカフェのある千曲市とは、これといった深い繋がりがなかった私達ハピスポが、

ごちゃまぜカフェの場所になぜ千曲市を選んだのかと、みなさんからよく聞かれる。

偶然が重なり合い、あっという間に
話が形になり始めたのは、ちょうど去年の今頃の事だった。

カフェの家主さんの息子さんが、私の高校の後輩だったのがきっかけとなり、場所を提案してくれたのが、全ての始まりだった。

毎年ビッグハットで行われるハピスポの自主企画イベント『ハピスポひろば』へ向けてボランティアさんが足りず、Facebookを通じて募集をかけたのは、もう二年も前の事だ。

『先輩、覚えてますか?』

高校の部活の二つ下の後輩だった渡辺くんからメッセージが届き、昔話をやり取りしていく内に、高校時代の渡辺くんの姿を薄っすら思い出した。

イベントの前日と当日、渡辺くんのお友達が何人もお手伝いに足を運んでくれた。

それから一年し、彼から今度は

『先輩カフェやりませんか?』と言われるなんて…

高校時代の私達が、この事を知ったら
本当に驚くだろうなって想像してみたりした。

お互いに考えもしなかった新たな『スタート』だった。

この時が

先輩、後輩の立場が完全に逆転した瞬間だった。

なぜなら渡辺くんは、長野市内でも有名なカフェ『あじたりあん』の店長さんで、経営のプロ。テレビにも出ているような人だったからだ。

手助けしていただきながら辿り着いた
コミュニケーションスペース『ごちゃまぜカフェ』のOpenから6ケ月。

年齢、障がいの壁もなくワイワイと賑わうお店の様子を見ながら、大先輩の渡辺くんが呟いた。

『いやぁ、マジ凄いよ!全ては人の力だね、人間力。俺も学ばせてもらってるよ。』

そんな言葉に励まされながら、もう少しあと少し進んでみようと心に刻み

明日を頑張って生きることが出来る。

人生は、パズルみたいに
たとえワンピースでも抜け落ちてしまったら、不完全なままに次へと進んでいく。

点の様な出逢いが、線となり面を成していく奇跡に、人生の面白さを感じずにはいられない。

私達をスタートラインに立たせてくれた渡辺くんに、感謝を込めて…

いつも、ありがとう

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